私とキスと横恋慕。
季節は完全に冬だけれど、教室のなかは暖房が効いていて暖かい。
それに今口のなかを転がるキャンディーもなかなか美味しいし。
一人の教室は前は怖かったけど、今は気が楽だし嫌じゃない。
それに、
日直の仕事をしてれば…
桐山が会いに来てくれる。
いいことばっかだ。
なのに…
「っう……」
私はまた涙を流した。
こんなんじゃあ涙枯れちゃうし。
口の中にキャンディーがあるせいで上手く呼吸できない。
「も…やだ…」
そう呟いた瞬間、教室の前扉が勢いよく開いた。