私とキスと横恋慕。




「え……

なんで……」



そこに立っていたのは正真正銘

桐山 景だった。




「桐…っ」


また私の涙腺が緩み、ぶわっと涙がこみ上げる。



「沙々…」


名前、もっと呼んで欲しい。


「きりや…ま…」



桐山が教室の扉を後ろ手で閉め、私に近づく。




「何号泣してんだよ。」


「……っ…ふうっ…」




私が泣きじゃくるのを見て、

桐山は楽しそうに笑った。



なに楽しそうにしてるんだ!

こっちはお前のせいで散々泣いて…!




私の心の声なんて気にする風でもなく、桐山は「よいしょ」と言って私を抱き上げた。



「~~!!?」


「やっぱ軽。」



いや!軽いにしたって、今、私桐山の片腕の上に座ってますが!?





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