私とキスと横恋慕。
「もう泣くな。」
「…ん……」
抱き上げられてて恥ずかしかったけど、
私は桐山の首に腕を回し、必死に涙を止めようとした。
涙が桐山の肩に染みていくのが分かった。
***
「落ち着いた?」
「はい……」
なんとか泣き止んだ私は桐山の首に回していた腕をほどいた。
下ろして、という合図だったんだけど、桐山は私を抱き上げたまま動かなかった。
「き、桐山!下ろして……」
「やだ。」
「っは!?」
至近距離にある桐山の顔に胸が高鳴る。
「こ…これじゃあ子供みたいじゃん!」
「子供だろ。」
「同い年だっつーの!」
「へぇ~、同い年だったんだ。知らなかったわ~。」
こいつ…!こんな状況でもからかいやがって!