私とキスと横恋慕。
「美羽?どうして…」
「ま、昼休みに分かるよ♪」
タイミングよくチャイムが鳴り、仕方なく私も自分の席に戻った。
美羽の考えてることが分からない…。
もしかして私たちのこと責める気かな…
いや、美羽はもうそんなことするつもりはないはず。
午前中、私は授業を聞くのもおざなりに、美羽の意図をひたすら考え続けたが、
結局分からずじまいだった。
***
昼休み--
「よし、では早速ご報告よろしくお願いします。」
裏庭に3人が集まるとすぐに、美羽は笑顔でそう言った。
「あ、うん。
えっと、私たち…昨日から…つ、付き合うことになりました。」
「そっか…。おめでとう。」
「あり…がとう。」
美羽が今どんな気持ちでその台詞を言っているのか、私には痛いほどよく分かった。
心に穴が開いたみたいな、あの絶望感は忘れようにも忘れられない。
熱くなる目頭に力を込める。
泣くな。私が泣くのは違う。
私は誰かが沈黙を破るのをただひたすら待った。