私とキスと横恋慕。
「今日はね、二人に話したいことがあって呼び出したの。」
「話したいこと?」
「うん。沙々には前も言ったよね。
私も悪かったって。」
一昨日、ひたすら謝る私に美羽が言ったことだった。
「私ね、二人が両想いなの知ってたんだ。」
「え…?」
「桐山くんに告白したとき、言われたんだ。
『俺は松永が好きだよ』って。」
桐山…
ちゃんと美羽に自分の気持ち言ってたんだ…。
「私、嫉妬が膨れ上がって、『沙々には別に好きな人がいる』って…言っちゃったの…。」
「…………」
「私ね、二人が両想いなの…うらやましくて…桐山くんのこと好きで…ごめん、沙々、桐山くん。
沙々。分かったでしょ?
一番二人の仲めちゃくちゃにしたのは私なの。
一番謝らなくちゃいけないのは…私…。」
美羽は下唇を噛んで、涙をこらえてたみたいだったけど、最後の台詞を言い終える頃には頬を幾筋もの涙が伝っていた。