私とキスと横恋慕。
あれ以来特別デートに出掛けたりはしていない。
教室でも今までと同じようにケンカしている。
時々一緒に帰ったり…
キス…したりもする、けど。
「……うまくいってるんだね?」
「えっ、な、なんで?」
「顔見りゃ分かるよー!
沙々、今すごい乙女な顔になってた!」
「乙女?」
少女漫画に出てきそうな目がキラキラしたヒロインを想像する。
「そ。桐山くんが沙々にホレるのも分かるわー。」
「っ、やめてよ、照れるし。」
「またまた~。可愛いなぁ、もう!
……って、ヤバいっ
そろそろ塾行かないと!」
美羽は自分の重たそうなリュックを掴んで立ち上がった。