私とキスと横恋慕。




「何?なんのこと?

ねぇ、御岡くん!」


「沙々。こいつら、俺の仲間なんだ。」


「へ…」


「全員が昔桐山に負かされたやつらだ。

俺と同じですっかり丸くなった桐山が許せねぇ。その…報復だ。」


「ちょっと…待って。桐山?

だって御岡くん、桐山と仲直りして…」


遊園地に行った日、最後の最後で二人は仲直りできたと思っていたのに…。



「仲直りなんてしてねぇよ。

ずっと…沙々のこと騙してたんだ。」



頭を殴られたかのような衝撃が走る。



「そんな…嘘だ。」



「嘘じゃない。桐山と仲がいい沙々を狙った。こうやって人質にとるために。」



「嘘だ!!」



「うるせぇ女だなー。もっかい黙らせるか?」



リーダーらしき男がそう言い、私を睨み付けた。



しかし恐怖を感じるよりもショックの方が大きかった。



クリスマス、そばにいてくれたことも

遊園地で無理すんなって手を握ってくれたことも

全部



全部





嘘……。






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