私とキスと横恋慕。




「……もういい…」


抵抗するのも疲れた…。


「ようやく諦めたか。」


飯島が近くにいた仲間に合図をすると、

桐山を取り囲んでいた人混みがサーっと引いた。



「っっ!桐山!」


桐山、ボロボロだ。

口元には赤黒い血が付いている。


「よく見てろ、桐山」


「待って!桐山が…」


「ごちゃごちゃうるせぇ」



私の左頬が乾いた音をたててはたかれた。

本気ではなかっただろうけど、神経を伝って涙が出るほどの痛みが広がった。

桐山は気を失っているのか、何も言わない。



「黙ってろ。」


「っ…」


「おい、桐山叩き起こせ。

これで準備は整っ…」




その瞬間


飯島は仰向けになって地面に倒れた。







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