私とキスと横恋慕。
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目を開けると、見たこともない部屋の天井だった。
話し声が聞こえる…。
なんか夢の延長みたい…
夢。怖い夢…。
桐山が大勢の人に殴られて…
「っっ桐山!!」
「うおっ…」
「へ…」
私が勢いよく起き上がると、その目線の先には驚いて目をまんまるくする
桐山の姿があった。
「きりやっ…ま…」
「ビックリさせんなよな。」
いつもの調子で桐山はケラケラと笑う。
でもその顔は傷だらけで、治療の跡が見られた。
「怪我!怪我してる。
桐山、ごめんなさい!私、見てるしか出来なくて…」
「バカ、なんでお前が謝るんだよ。」
「だって、そんなに傷だらけで…」
桐山は私の前髪をかき分け、頭を優しく撫でた。
「怖い思いさせてごめん。」
初めて見た桐山の塩らしい顔に、胸が締め付けられるように痛んだ。