私とキスと横恋慕。




****



目を開けると、見たこともない部屋の天井だった。


話し声が聞こえる…。


なんか夢の延長みたい…


夢。怖い夢…。

桐山が大勢の人に殴られて…




「っっ桐山!!」



「うおっ…」



「へ…」




私が勢いよく起き上がると、その目線の先には驚いて目をまんまるくする

桐山の姿があった。




「きりやっ…ま…」


「ビックリさせんなよな。」



いつもの調子で桐山はケラケラと笑う。


でもその顔は傷だらけで、治療の跡が見られた。



「怪我!怪我してる。

桐山、ごめんなさい!私、見てるしか出来なくて…」


「バカ、なんでお前が謝るんだよ。」


「だって、そんなに傷だらけで…」



桐山は私の前髪をかき分け、頭を優しく撫でた。



「怖い思いさせてごめん。」



初めて見た桐山の塩らしい顔に、胸が締め付けられるように痛んだ。





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