私とキスと横恋慕。
「本当に悪かった。」
「え…何?急に。」
急に謝ってきた桐山は、ばつが悪そうに私から目をそらした。
「お前を
守れなかった…」
私よりよっぽど怪我しているくせに、
桐山は私の頬のたったひとつの怪我を綿に触れるように撫でた。
「桐山…」
「沙々が俺と付き合ってなければこんなことには…「桐山っ!!」
桐山は依然として私と目を合わせようとはしない。
バカ。
『付き合わなければ』なんて
仮定でも言ってほしくなかった。
自分ばっかり責めて
身体だけじゃなくて心まで傷だらけにしてどうするの。
私は傷ついた桐山の手をそっと握った。
「キスして」
側にいたい。
今の距離でも足りない。
限りなく0にして、少しでも癒してあげられたら…