私とキスと横恋慕。
「そっか。そんなことあったんだね。」
「うん…」
「私が今桐山くんに怒ってる以上に
桐山くんは自分に怒ってるんだね。」
「そんなに怒らなくていいって言いたいけど、私も桐山の気持ち分かるんだ。
自分のせいで桐山が傷ついたら…
死にたくなる…」
きっと私が桐山でも別れを告げていた。
そういう風に決まってたんだ。
そうやって割り切るしかない。
きっと私が桐山なら、「私」に泣かれたらもっと苦しい。
だから泣かない。
だからもう…
「諦めるよ。」
「そっか」
美羽はそれ以上何も言わなかった。
なんか空気重くなっちゃったな。
「だからさ!クラス替えもしたことだし、新しい彼氏候補探すぜ!
桐山のことも最近はあんま気にならなくなってきたんだー。」
「……そうだね!私も探すわ!今度は被んないようにね。」
二人でゲラゲラ笑いながら教室に戻ったら、
さっき私が大声を出したことで少し動揺していたクラスメイトも、安心したように普段の様子に戻った。