私とキスと横恋慕。
翌々日―
翌々々日―
……
「これって絶対おかしい!!」
「はっ、え?何が?」
ビックリする美羽に、私は多分すごい剣幕で詰め寄る。
「灘崎くんと桐山が仲良すぎて踏み込めないよ~」
「灘崎くん?沙々、今度は彼狙い?」
「いや、友達になろうと思って……」
「彼狙い」ってなんか遊び人みたいだからやめてほしい。
「ふーん、なるほどね…」
美羽が一人納得した様子でうなずいている。
「美羽…?」
美羽は桐山の方を一瞥したあと、私に向かって言った。
「桐山くんはきっと沙々の魂胆に気づいてる。」
「へ……」
「つまりさ、灘崎くんに沙々を近づけないようにしてるんだよ!」
「……」
なんかそれは意識過剰な気がする。
別に私は灘崎くんのことが好きな訳じゃないし、桐山とはここ数日一度も目が合わない。
いや、桐山が私を見ないんじゃなくて、私が桐山を見てないだけか…。
急激に頭のなかが明瞭に冷めていくのを感じて、慌てて目の前の美羽の顔に焦点を戻した。