私とキスと横恋慕。
「とにかくそれはないと思うよ。」
「そう?かな……」
「私たちはもう終わってるの。だからねー、違うと思う。」
なんか、自分の言葉が意識から…現実から浮いてる。
「でも桐山くんが別れを切り出したのは、沙々のことが大切だったからで…」
「大切ならそばにいてほしかったよ。」
私の言葉だけ明らかに異質だ。
違和感を残して空気を振動させる。
「帰ろう。」
「沙々…」
「もう灘崎くんに話しかけようとするのやめる。疲れちゃうし。
しばらくおとなしくしてれば、美羽の考えが違ったって分かるよ。」
「……。わかった、帰ろ。」
私は冷めきった頭で何も考えないまま、美羽と一緒に帰った。