私とキスと横恋慕。
「お前、最近さらに痩せたんじゃねぇの」
「ははっ、どーも」
「笑い事じゃねぇだろ。」
桐山は真面目な顔で私を見つめていた。
心配してくれてるんだ…。
私はその事が嬉しくてたまらなかった。
ああ、もうダメだ。
私はやっぱり…
「……
保健の先生会議中らしいけど、戻るまでゆっくり休んでけよ」
「えっ、もう帰るの?」
「…ああ。」
桐山は床においてあったリュックを持ち、
私に背を向けた。
桐山と別れてから、何回この背中を見ただろう。
私は桐山の顔を直視できなくて、
でも目で追いたくて、
桐山が背を向けてるときばかり見てた。
冷静に考えれば、すぐわかるのに。
こんなにも日常的に、
桐山を好きだと体が、本能が言ってる。
気づかないわけない。
忘れられるわけない。
好きじゃなくなるわけ…ないのに。
本当に勇気を出すのは今だ。
見ないふりするのはもうやめる。
勇気!声…!
出ろ!!!!
「っいかないで…」