私とキスと横恋慕。
「っ…私は、
ずっと嘘をついてたよ。」
桐山と別れてから、私はずっと嘘をついていた。
だからストレスばっか溜まって、
こんな風に倒れたりしたんだ。
「嘘?」
桐山は私を抱き締めていた腕を解き、
私の顔を覗いた。
その瞳は少し濡れているように感じ、
なんだか見てはいけないものを見ているような気分になって、目をそらした。
「…うん。
美羽にはもう桐山を気にしてないって嘘ついて、
桐山には気持ちが切り替わってるように見せかけて、
私自身にも桐山のことはもう好きじゃないって嘘ついてた。」
嘘で固めてた私の体はもろくて、
内側からでも外側からでもちょっとした衝撃であっという間に崩れてしまいそうだった。
でも、今は違う。
桐山にもらった言葉がある。
あたしは桐山を好きで、
桐山があたしを好きでいてくれるのなら、
私にはなにも怖いことはないんだよ。