私とキスと横恋慕。
「で?なんでこうなるわけ??」
桐山が不機嫌そうに肘をつく。
私たちは今、南高校の近くのファミレスに来ている。
私たちって言うのは、桐山、私、御岡くん、美羽、御岡くんの友達の男子二人。
南高校って言うのは、御岡くんたちが通う学校。
「じゃあ、桐山!美羽ちゃん!
このアホトリオをどうぞよろしくお願いします!!」
御岡くんに頼まれ、私たちは南高校の自称アホトリオに勉強を教えに来たのだ。
南高校も明日から中間テストらしい…。
まぁもちろん私は教える戦力には入っていない。
「沙々一人で手一杯だっつーのに、
なんでお前らの勉強まで見なきゃいけねぇんだよ。
しかも竹内まで…」
「そう言わずにさ、頼むよ~
俺ら留年ギリギリでさ!」
「ホント、相変わらずアホだな、おめーらは。」
桐山がそう言うと、御岡くんと一緒に南高校の他の二人もケラケラと笑った。
最初御岡くんが桐山にケンカしに来た時の人とは違うみたいだけど、
桐山はその二人のことも知っているようだった。
「で?で?」
南高校の男子の一人が聞こえるくらいのトーンで桐山に耳打ちする。
「どっちが桐山の女よ?」
「っえっ!!!」
その質問に私は慌ててしまい、思わず出た声に口を塞いだ。
南高校の男子二人の視線が集まる。
「え、じゃあ君が桐山の彼女さん!?」
「う、うん…。そうだけど…。」
「めっちゃかわいいじゃん!
やるな、桐山。」
「うっせぇ、勉強するんじゃねぇのかよ。」
「まぁまぁ。
ねぇ、彼女ちゃん。桐山ってデレるときどんな感じなの?」
「…へっ!!?」
「甘えたりすんの??」
その瞬間、桐山は男子二人を鬼のような目付きで睨み付けた。