私とキスと横恋慕。
「問題に答えられなかったら、なんでも俺の言うこと聞く『おしおき』制度にする。」
「おしおき!!?」
な、なんかそれってちょっといやらしい…
「今変なこと考えたろ。」
「えっ、なっ!!//
考えてないし!!」
「じゃあ手始めにこの問題。」
そう言って桐山が差し出したのは、
美羽のまとめプリントの一番最初、英語の文法問題だった。
「えっと…『if he is』?」
「ブーッ、はずれ。
この場合は仮定法だから『if he was』。
おしおき1つ目な。」
「ちょ、ちょっと待ってよ!
そんないきなり…」
「さっきおしおきって聞いて想像したこと言え。」
桐山は悪役っぽくにたりと笑った。
教室に残っている人は残りわずか。
その人たちもカバンを持って帰る準備をしていた。
「あ、えっと…」
そんなの、恥ずかしくて言えないよー!!
「早く言わないとおしおき増やすよ。」
桐山は鋭く甘く光る瞳で私を捉えて離さない。
「えっと…//
その…キスしろとか言われるのかと……」
すっごい小声でそう答えたが、桐山はなんの反応もしない。
黙って私を見続けている。
ずっと見つめられていると、なんかとろけそうな気分になる。
数秒後、桐山はふーっと息を吐いた。
「ま、お前の思考力じゃそんなもんか。」
「っ!なんかバカにしてない!?」
「バカにはしてない。
でも今日間違えれば間違えるほど、その先が見れるっていう
期待はしてる。」
ドキッ…
桐山のSっ気たっぷりの笑顔を見て、ドキドキする私も私だな。