私とキスと横恋慕。



「早速始めるぞ。」

「うん…」


英語って苦手なんだよな。
文法とか結構細かいし…

それに…おしおき、次は何命令されるんだろ…。



「おい、集中してんのか?」

「えっ!」 


桐山は上目遣いで私を見上げる。


「してる!してるよ!!」

「じゃあ今俺が言った説明聞いてた?」

「も、もちろん…」

「じゃあここの問2。答えは?」


桐山は無表情で私の答えをじっと待つ。

ど、どーしよ…
全然わっかんねぇ!


「えと…ここは、現在時制だから…」

「だから?」


桐山の追いたてるみたいな視線と言葉が私の鼓動を早める。

間違えたらおしおきだ…。

キスされたりとか、その先とか、
命令されたらやらなきゃ…

嫌な訳じゃない。
でも、誰もいないとは言え、教室でそんなこと…


私の頭の中は文法問題とおしおき問題でぐるぐると混乱し始めた。


「おい、何固まってんだ。」

「ひっ!」

「……。
そんなに、おしおきで命令されるの嫌なのかよ。」

「い、嫌じゃない…けど…。」


緊張して、勉強どころじゃないよぉ…


「ブー。時間切れ。おしおきな。」

「なっ、なっ…!」

「おしおきごときで集中できないお前が悪い。」

「ま、待っ…」



「おしおき。竹内のまとめにある問題、全部分かるまでやれ。」



「へ…」


想像してたのと大分ずれたおしおき内容に私は拍子抜けした。




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