私とキスと横恋慕。
俺と不良と中学時代
「おーい、景!」
休み時間、ボーッとしてた俺の前にひょいと顔を出したのは、松永沙々。
この間のテストで竹内と俺がさんざん時間を割いて教えたのに、
平均点すらとれないバカ。
「何。」
「御岡くんって、まだケンカとか毎日してるのかな…!?」
「何、急に。」
「ふと気になって…」
こいつはまた、突拍子もねぇな。
「毎日はしてないんじゃね?
御岡は就職するとか言ってたし。」
「へぇ~、そうなんだ!」
でも心配だ…とかブツブツ呟きながら、
沙々は俺の席の前に座った。
「ヘーキだって。御岡たち強いし。」
「え、桐山にボコられたのに?」
「俺が強すぎるの。」
「何それ、なんかうぜぇ。」
「ハハッ、冗談だって。」
沙々は不服そうな顔で俺をにらんだ。
「桐山っていつから不良になっちゃったの?」
「……」
意外な質問に戸惑う。
いつから…
思い当たるのは4年前の出来事だった。