私とキスと横恋慕。
中学に上がった最初から不良だった訳じゃない。
髪も黒くて、ピアスも空いてないし、
成績も上位を常にキープしていた。
不良要素と言えば、学校自体治安が悪めで、
最初に仲良くなったのが素行の悪いやつらだったことくらい。
でも別に悪いやつらではなかった。
友達は大切にして、つっかかってくるやつら以外にはそんなに迷惑をかけていなかった。
俺が不良になるきっかけは中学二年生、
四年前のことだ。
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四年前ーー
「よし、席つけー。
数学始めるぞ。」
数学の山口が教室に入ってきて、全員で起立し、一礼をした。
この数学教師は生徒をなめた上から目線な態度で、
評判が最低だった。
かくいう俺も山口は嫌いだったけど、勉強は嫌いじゃないし、
特になんの反抗も関わりもせずに毎日授業を受けていた。
俺の席は教室の窓側一番後ろ。
周りを仲良いやつらに囲まれて、うるさいけど結構楽しい席だった。
「なぁ、桐山。」
「何、御岡。」
こいつは御岡。いつもつるんでるグループで一番仲が良い。
あとの二人は田中と安田っていうバカ。(のちのアホコンビ)
「この問題だけわからん。
教えて。」
御岡はどっちかっていうと不良に分類されるやつだけど、
まだ勉強する意思がある方だった。
田中と安田は皆無だけど。
「あー、これは…」
俺は御岡のノートを見ながら、解説をする。
御岡は結構真面目にふんふんと聞いていた。
そんなとき、怒号が飛んだ。