私とキスと横恋慕。




仕事を終え、部活動の掛け声が飛び交うグラウンドを横に私は歩く。



もちろん余計なのが前にいるのだけど。



「家どこ。」


「○×駅から徒歩五分。」


「遠いなー。」


「別に送らなくていいってば。

私送るなら美羽を送ってやれっつの。」


「あいつの家、俺と逆方向だし。」



なんか、本当適当なやつだな、こいつ。



思わずため息をフッと吐くと、その息は白くなって周りの大気になじんだ。




「あっ、息!白くなった!」


「え、今朝も白くなかったっけー?」


「違うよー。夜は分かんないけど、日が出てる間で白くなったのは今が初めて!」



桐山を見ると、妙にニヤニヤ笑っている。



あっ…

テンション上げすぎたかな…。






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