私とキスと横恋慕。



「お前らなぁ…」

「桐山。」


笑い終えた御岡は満面の笑顔で俺の肩を叩くと、言った。


「お前と友達になれてよかった。」

「……」


『俺も』
言いたかったけど、なんか照れ臭くて言葉は出てこなかった。



****


それから、俺たちは2年生の間、山口の授業を拒否りつづけた。

他の先生の授業は真面目に聞き、
あとは自分で自習すればテストで上位を取ることは簡単だった。


俺は髪を金に染め、御岡たちに手伝ってもらってピアスも開けた。
タバコはうまく吸えるようになって、酒も少し覚えた。
見た目のせいで他校生や上級生に絡まれることもしばしばあり、
ケンカもどんどん強くなった。


そんな見た目と裏腹に、相変わらず成績の良い俺を先生たちは注意することもためらい、
その結果山口が問題視されていることを風の噂で聞いた。

それが原因かは分からないが、2年生が終わると同時に山口は別の中学に異動になった。


山口に仕返しする目標は果たしたが、
3年生になり、俺の周りはどんどん慌ただしさを増していく。




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