私とキスと横恋慕。
「それ、もらってたんだった。」
「何これ。」
「放課後、校舎裏に来てくださいだって。」
封筒の封は既に切られていた。
中身は同じクラスの女子からの呼び出しの手紙だった。
てか、勝手に見んなよな。他人の手紙。
ま、いーけど。
俺はその手紙を無造作にポケットに突っ込むと、
大きく伸びをして寝転がった。
「寝る。」
「いつまで?まさか行かねぇの?」
「行かね。どーせまたつまんねぇ女だ。」
「はぁ!?もったいねー!!」
御岡は「バーカ」と小学生みたいな捨て台詞を残して、
屋上から去っていった。
「俺が渡し忘れたみたいになんだろ。」
「んー、じゃあ田中、桐山くんは風邪ですって言っておいて。」
「つめてぇやつ。
俺が奪ってやるぜ!」
田中と安田も意気込みながら、屋上をあとにした。
冷たい…のかな。
そう言われたって、動かない心は動かない。
面倒だ。
恋愛なんて…
「つまんね。」
最近は喧嘩で絡んでくるやつもいなくなってきた。
俺たち4人は結構強いって周辺の中学にも知れてしまったのだ。
俺のむなしい独り言は、快晴の空に消えていった。