私とキスと横恋慕。
「桐山くんって、タバコ吸ってるの!?」
「……何。チクる気?」
「違う。気になって…」
「吸ってるよ。」
「そう…なんだ。」
「だから何?」
「いや、カッコいいね!
タバコ吸えるなんて!」
止めないんだ。
「カッコ良くないだろ。犯罪だぜ。」
俺はそう言うと、屋上から出た。
俺はタバコを三上に止めてほしかったのか…?
自分の意思で吸ってるのに…?
なんか矛盾してないか?
あー、わかんね。
「はぁ……」
俺は沈んでいく夕焼けに向かってため息を吐いた。
いつか現れるだろうか。
三上みたいに気が強くて、友達思いで、
でも俺のタバコもケンカも止めてくれる
そんな女。
そんなやつ、いるわけねーか。
俺はもう一度ため息をつくと、赤く照らされる校舎をあとにした。