私とキスと横恋慕。
私と進路と分かれ道
「う゛~ん。どーしよ~。」
「さっきから何うなってんの?沙々。」
「これだよ、これ。」
私が美羽に差し出したのは白紙の進路調査書。
夏休みに入る直前の7月。
私は進路に非常に迷っている。
「進路かぁ。うちそこそこ進学校だし、進学する人多いみたいだよ?」
「やっぱりそうだよね…。」
「やりたいこと決まってないなら、とりあえず大学行ったら?」
「そんなノリでいいのかね?」
「いいでしょ!」
美羽はニッコリ笑ってそう答えるけど、
私の家は別にお金持ちな訳でもないし、
また勉強漬けの毎日かと思うと、大学も考えものだ。
「美羽は…?
決まってるの?」
「うん!私は学校の先生になりたい!小学校!」
「えっ、そうなの!?」
確かに。美羽が小学校の先生やってる未来見える気がする…!
「子供好きなんだぁ。
だから、教育学部がある大学に進学しようと思ってるの。」
「美羽なら絶対なれるよ!保証する!」
「ありがとう。」
美羽は少し照れながら笑った。