私とキスと横恋慕。
「私…冬好き。」
「へぇ~」
「桐山は?どの季節が好き?」
「うーん、冬、かな。」
「っ…。完璧今考えた…」
桐山は冷たい風を顔に浴びて、気持ち良さそうにした。
ホントに好きなのかな…。
私が冬を好きな理由。
冬生まれだからっていうのもあるけど、
やっぱり寒い中にある温もりが好きだ。
冬場のお布団とか、暖房の効いた部屋とか、
あと、誰かと抱き合ったりするのも気持ちいいんだろうな…。
私は無意識に隣にいる人と抱きしめ合うのを想像して、頬を紅潮させた。
あーあ。
せっかく諦めるチャンスだったのに。
もう引き返せなくなってる。
なんでだ。
前よりもっと悪いとこばっか知って、
今、この人は友達の彼氏なのに。
なんでだ…。