私とキスと横恋慕。



「景は進路調査書出した?」

帰り道、景にも聞いてみる。

「出したよ。進学で。」

「うわぁ、やっぱりそうか!
ちなみにどこの大学なの?学部とか…」


あわよくば、同じ大学行って、景とラブラブキャンパスライフ…♡
アリかも…!


「A大学だよ。
工学系の勉強したいから、理工学部。」

「えっ、A大!!?」

「なんだよ。」

「A大と言えば、理系で一番すごいとこじゃん!」

「まぁ最初は高い目標で行こうと思って。」

「そーいや、景って頭良いんだったな。」

「そーいやってなんだよ。」


景は私の頭に軽くチョップをすると、
ケラケラと笑い声を立てた。

景、最初に教室でキスしてきた時よりも100億倍くらい明るくなったな。
きっと大学生活もうまくいくんだろうな…。
かっこいい笑顔で、サークルとかで女の子にちやほやされて…


「……。」

「何テンション下がってんだ。お前は?」

「あぁ、それが…決まってなくて…。」

「お前バカだから、選択肢狭いだろ。」

「んなっ!!そーゆーデリカシーないこと悩んでる人に言う!?」

「ハハッ、事実じゃん。」


景が子供みたいに笑うと、その笑い声は高い青空に消えていった。
こんなに暑いのに、景は涼しげで爽やかだ。
うらやましい…。

私にはこの気温は暑苦しくて、
頭の中もこんがらがって発熱しそうなのに。




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