私とキスと横恋慕。
「何!?何の用?」
カフェの中をチラッと見たが、
景は背を向けて並んでいて、
こちらに気付いていない様子だった。
「あん時の借り返させろ。」
「あの日から桐山にムカついて仕方ねぇんだよ。」
「そんなの自業自得でしょ!?」
「あぁ!?」
うわ、地雷踏んだか…?
「とにかく、今は私け…桐山とは会ってない!
私に絡んでも無駄だよ。」
「じゃあ呼び出せ。
そしたらお前にはなんもしねぇから。」
「……。」
私はあの時決めたんだ。
景と私のラブラブを邪魔したら、ぶん殴ってやるって。
だから…
「絶対やだ!!!」
私はきびすを返し、カフェから全速力で走り出した。
「っ!待て!!このチビ!!」
東高の不良たちはすごい形相で追いかけてくる。
めちゃめちゃ怖い…けど、
またあの時のように別れる方がもっともっと怖いって知ってる!!
「待てっつってんだろ!!」
「きゃっ!!」
700メートルくらい走ったところで、私の腕は不良の一人に捕らえられた。
もともと人通りが少なく、周囲に助けてくれそうな人はいなかった。
さらに人気のない路地裏の方へ引っ張られる。
「痛い!!離して!」
「手ぇ出さないと思って調子に乗りやがって…」
不良たちは鋭い目で私を見下ろした。