私とキスと横恋慕。



景の後ろには夕日が差していて、
目を開けられないくらい眩しい。

日が
沈んでいく。


「景…」

「あ?」


私の夢は、きっとこの景色をこれから一生見続けることだ。

春にはケンカして帰ってきた彼の傷を癒すこと。
夏には夕日の中一緒に帰ること。
秋には美味しいもの食べに行くこと。

冬には…
同じ家で抱きしめ合って眠ること。
手袋はずして手を繋ぐこと。
涙が出るくらい温かいキスをすること。

私の未来で景がいないことが想像できない。


だから…





「私、看護師になる!!」



夕日で眩しいけど、景の目をしっかりと見据える。

景は笑うでもなく、黙って私を見つめ返していた。




「看護師になって…
ケンカして帰ってくる景の手当てする!」

「ハハッ、なんだそれ…」

「今日みたいな日も。
私が景を守れる方法はこれくらいだから。」

「大学生にもなってケンカなんかするかよ。」

「景はしてそう!」

「おいおい。」


景は苦笑いすると、また私の瞳を見つめた。




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