私とキスと横恋慕。



そして今日。

私、そして景の第一志望の合格発表日。

もし景も合格していたら、私たちの受験は今日で終わりになる。


先日メールで報告があったが、
景は既に第二、第三志望には合格している。

さすが、私みたいにこの短大ほぼ一本の危ない綱渡りじゃない。


「それで、沙々。
桐山くんにも報告するの?」

「うーん…。」


もし落ちて、打ちひしがれてたら
私の合格報告なんて追い討ちでしかないし……

でも…


「……私、行ってくる!!」


「うん!それでこそ沙々だよ!」


美羽は私の背中を力強く叩くと、
満面の笑顔で私に言った。


「いってらっしゃい!」


「いってきます!」



私も満面の笑顔を返して、走り出した。

景はきっと、A大学だ。

落ち込んでても、喜んでいても、どっちでもいい。
今すぐそばに行ってあげたい。

今すぐ飛んでいって、
お疲れ様って抱きしめる。

そうして一緒に未来へ踏み出すんだ。




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