私とキスと横恋慕。
しばらく抱きしめ合って落ち着くと、
私は景から離れた。
「えっと…それで、結果は…?」
私が恐る恐る聞くと、
景は無表情のままピースサインを向けた。
「受かった」
「~~っ~!!!」
「ハハッ、なに口パクパクさせてんだ。」
「お、おめ…っ、おめで…うぅ…っ」
「泣くなって。ブスだな。」
「なっ、うるさい!!自己中!」
景はいつも通り、ケラケラと軽快に笑った。
ああ、日常だ。
待ちわびてた、私たちの冬だよ。景。
私も泣きながら満面の笑顔を景に向けた。
「で?お前は?」
「ふふっ、聞いて驚くなよ。なんと…「受かったのか。」
「んなっ!!」
わ、私の見せ場が…!
「まぁあの程度の偏差値で、しかも短大なら受からねぇわけねぇよな。」
「偉そうに…!
受験が不安で泣いてたくせに!」
「なに適当言ってんだ。ぶっ飛ばすぞ。」
「ひいっ、ごめんなさい!」
景は私の頭をコツっと叩くと、
その手で私の手を握った。
「帰るぞ。」
「うん。」
私たちは手を繋いで、大学をあとにした。