私とキスと横恋慕。
「ねぇ、景。」
帰りの電車の中で、二人でならんで座りながら、
私はポツリと口を開いた。
「何。」
「私、ちゃんと看護師になるよ。
それで、ケンカして帰ってくる景の怪我、治すからね。」
「まだ言ってんのか。
ケンカなんかしねぇよ。」
「ふふっ、そうだといいな。」
「……。」
「景?」
黙った景の顔を見上げると、
予想に反して真剣な顔で私を見ていた。
「どうしたの?」
「俺も夢できた。」
「え、ホント!?なになに!」
「お前のこと、永遠に…」
「え♡」
『永遠に…愛し続けるよ。』とか…!?
「永遠にからかい続けたい。」
「へ…」
「あ、着いた。」
電車は私たちの最寄り駅に到着し、
景は放心状態の私の手を引っ張って電車から降ろした。