私とキスと横恋慕。
私と不安と悪役
「はぁー」
私は朝からため息ばかりついてる。
せっかく息が白くなるのも、今はどうでもよく感じる。
昨日、桐山に隠恋慕をすると決心したわけなのだが、
やっぱ親友の彼氏ってとこは痛い。
まぁ、美羽と別れてもらって桐山と付き合うなんて絶対やだし、
想ってるだけなら…罪にはならないはず。
今日の放課後はすぐに逃げよう。
桐山と二人きりはさすがに肩身が狭い。
「美羽!おはよ。」
「おはよう、沙々。」
あ、良かった。
普通に挨拶できた。
私はようやく今日初めて、冬の中の温もりを感じた。