私とキスと横恋慕。
沙々side
「沙々おつかれ~」
「おつかれ!美咲ちゃん」
なんか全然センスないな、私。
美咲ちゃんは初心者なのにゴール決めてたし…
私と美咲ちゃんがコートから出てくると、
何人かの男の子がそばに来た。
「おつかれ!沙々ちゃん。美咲ちゃん。」
「よかったら飲み物おごってあげようか?」
「ドリブルのコツ教えるよ!」
「え?何?」
「そいつら沙々と友達になりたいんだってさ。」
「え…」
声の主は景だった。
今日初めて話す…。
「友達…」
っていう感じじゃないけど…。
景の方を見ると、ニヤッと笑い、そのままゼッケンを来てコートに入っていった。
「ちょ、沙々!
あの人がここ紹介してくれた友達!?」
「え、そうだけど…」
「めっちゃかっこいいじゃん!」
「あ、あの人はダメ!!」
美咲ちゃんも男の子たちもビックリしたように目をまんまるくした。
「もしかして…沙々あの人のこと好きなの?」
「あ、えと…いや…」
美咲ちゃんはニヤッと笑うと、
側にいた男子たちをシッシッと追い払った。
「そーゆーことなら協力するよ!」
「え、ちが…」
なんか、嘘が下手すぎて誤解が……
その時、女子のキャーという歓声が上がった。