私とキスと横恋慕。
***
夕方ーーー
飲み会の会場はA大学の最寄り駅にある居酒屋だった。
中は人で混み合っている。
そんな中、私たちのサークルも大人数で入っていく。
「私、居酒屋って親以外と初めて来る…」
「私も!なんか緊張するね。大人の世界!」
大人の世界…
たしかに…
周りを見回すと、お客さんはみんな大人っぽくて、
もちろんお酒を飲んでいるし、タバコを吸ってる人もいる。
ん?
なんか見覚えがある後ろ姿……
「って、御岡くん!?」
私がそう呼ぶと、
その背中が振り返った。
その人物は正真正銘御岡くんだった。
一緒に飲んでるのは……あ、テスト勉強の時のアホコンビだ!
「沙々じゃん!何?サークル?」
「うん!」
「俺は明日からまた仕事だよぉ…。」
「そっか!就職したんだもんね…。」
明らかにガラの悪そうな男3人と嬉々と話し始めた私を見て、
みんながちょっと引いているのを背中に感じた。
「お、お前ら飲んでたのか。」
「おう!桐山!!」
そんな中、景までもが入ってきたからサークルの視線はさらに集まった。