私とキスと横恋慕。
「平気か?お前。」
「んにゃぁ…ふわふわする…。」
「いやいや、大丈夫だって!
俺たちがお世話するからさ、一年生は飲み会楽しみなよ!」
知らない男の先輩がそんな下らない提案をしてきた。
「いえ、先輩こそ飲み会楽しんでください。」
「フフフッ…」
何笑ってんだ、こいつ。
完全酔ってるな。
「そーですヨ!先輩!
じゃんじゃん飲んどいてくださいヨ!ふふっ…」
「うるせぇ、お前は黙ってろ。」
俺が沙々の口を手で塞ぐと、
「いって!!!」
沙々は思いっきりその手を噛んだ。
「何すんだ、テメー!!」
俺がつい我を忘れて怒鳴ると、
その場はシーンと静まり返った。
や、べ……
約束が…守れな…「黙るのはお前だ、バカ山!!」
静寂の中、沙々が放った一言はサークル全員の耳に届いた。
「私がぁ、どんだけのケンカの修羅場をくぐって……
きたと思ってんだ!
お前の…つり目…もっとつらせてやんぞ!」
意味不明なその台詞も、
修羅場とかの言葉に引っ張られて、すごい不良の脅迫に聞こえたようだ。
サークルのメンバーみんなが、さらに緊張したのを感じた。