私とキスと横恋慕。




どうしよう。


表面的には明るくいいよ、って言っても、美羽が傷つかないわけない。


なんで桐山、周りに美羽たちがいたのに話しかけてきたの…?


しかもいかにも仲良くやってますって言ってるみたいに、名前呼びして…。



どうしよう。



美羽に内緒で桐山と会ってるのバレたかもしれない。



どうしよう……。



もし、私の気持ち気づかれたら……

「沙々?」


「え…」



ハッと我に返ると、目の前に美羽の顔があった。



「チャイム鳴ったよ?」


「まじか!ごめんっ…」



あー、なんか吐きそうだ。


桐山に初めてキスされた日と一緒だ。


体の中央に重りが沈んで、身動きがとれなくなるんだ。






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