私とキスと横恋慕。
数十分後
やはり私と桐山は二人きりになった。
「竹内とケンカでもした?」
「してないし。」
急いで書いたから日誌はもう終わった。
あとは黒板だけ。
椅子を黒板の前にセットし、その上に乗った。
「沙々ー」
「名前で呼ぶな!」
「…………」
「あんた、美羽の気持ち考えてんの!?
あの子、笑ってても内心すごい傷ついてるんだよ!」
「じゃあお前は俺の気持ち考えてるわけ?」
「どうせ私たちのことからかってるんでしょ!?
私にも、美羽にも本気じゃない。」
「なんでそう決めつけるわけ。
お前が一番悪役なの、分かんないの?」
「悪役……」
「俺に構われて友達傷つけてんのは自分なのに、自分は悪くないって言い張って、
俺にたいしては友達かばっていい子ぶってる。」
「……元凶は全部あんたじゃん!」
「お前だよ。
お前がいるのが悪い。」
あ、ヤバい。
さすがにグサッと来た。
泣かないように大きく深呼吸する。
「お前さえいなければ、俺は竹内を好きになってたのかもな。」
「何それ…」
声、震える……。