私とキスと横恋慕。




はぁーっと私は深く息を吐いた。



「お願い…。

もう私に話しかけないで。」



「……お前からキスしてくれんならいいよ。」



「…………」




なんで……



なんで伝わらないの……?






バチンッ



私は桐山の頬を思いっきり叩いた。


偶然だけど、叩いたのは昨日のアザと逆側だった。




そのまま逃げようとするも、桐山は私のことを逃がさなかった。



「離せ!離せ、バカ!」



私の腕を掴む桐山の手は離れそうにない。



「逃げる前にお前も代償は払え。

ビンタしろなんて言ってねぇ。」


「っ……」



まだ

そんな下らないこと言うの……?



なんでこんなに真剣に言ってるのに…

伝わらないの…?




私は美羽と桐山が付き合い始めたと知ったときより

美羽に泣かれたときよりも


今が悲しくて仕方なかった。






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