私とキスと横恋慕。
「別に…あのあとは何も言ってなかったけど…」
「そう…
そっか!」
安心したように笑った彼が本当はそんなに悪い人じゃないのかもしれないと思えてしまった。
「ねぇ、少し話せない?
怖いなら人が多いところでいいし!」
「うん…」
私たちは人が多い駅前のベンチに座った。
「桐山…はね、中学の仲間でさ」
「うん…」
「あの頃は俺も桐山も相当荒れてて…
ケンカも毎日。タバコも酒もやってた。
まぁ俺は今もやってるか。昔ほどじゃないけど。」
やっぱり桐山はそういう人だったんだと思うと、違う世界に住む人みたいに感じる。