私とキスと横恋慕。




「んで、桐山のあの容姿じゃん?

もちろんモテちゃってさ。

それなのに桐山はどんな女の誘いにも乗らなかった。」


「そうなんだ…」


「なんかすげぇかっこよくてさ、

憧れちゃった訳よ。」



私は思わずクスッと笑った。


この人の気持ち、ちょっと分かるな。



「だからこの間、君のこと連れて歩いて、
さらにタバコもやめたなんて言うから…

失望って言うか…なんかイラッと来て。

そんでケンカして見事惨敗。」



「俺だせー」と言って、彼はケラケラと笑った。




「桐山のこと…好きなんだね。」


「いや、好きってなんかキモいけど…うん、まぁ…そうだな。」



ならきっと私と分かり合える。






< 64 / 277 >

この作品をシェア

pagetop