私とキスと横恋慕。
「あ、言うの忘れてたけど、
俺、御岡 晃(ミオカ コウ)。よろしくね。」
「私、松永 沙々。よろしく!」
私たちは笑顔で握手を交わした。
「あとさ、気になってたんだけど…
沙々って…」
あ、名前呼び…
「ホントに桐山の彼女じゃないの?」
「ち、違うよ!」
最初会ったときは素直に受け入れてたように見えたけど、やっぱり気になってたんだ…。
「友達だよ。あ、でも今は…ちょっと違うかな。」
「今は、って?」
「アハハ…
桐山にはね、別に彼女いるんだよ。
だから、私とあんまり仲良くしちゃダメじゃん。」
「ダメ…かな。」
御岡くんはフーッと白い息を吐いて、暗くなり始めた空を仰いだ。
「俺はいいと思うよ。
沙々がどう関わろうと、彼女とうまくいくかは桐山次第だし。
沙々は友達に戻りたいって思うんだろ?」
「…………」
「もしかして
桐山のこと……好きなの?」
私はその言葉を聞いて固まった。