私とキスと横恋慕。
最初にこの気持ち言うのが、
親友の美羽でも、桐山本人でもなく、
今日初めて名前知ったばっかのこの人とは…
なんかこの恋が叶わないのも頷けるな。
「そう。
好き。」
少しの沈黙の後、御岡くんがまた口を開いた。
「なんだ、大人っぽい顔できんじゃん。」
「へ?」
「いや…なんでもない。
いろいろ苦労してんだな、沙々も。」
「へへっ、まぁな!」
私が無理してへらっと笑うと、
御岡くんもつられて笑った。
「なぁ、やっぱクリスマスは桐山たちデートするんだよな?」
「うん。」
「もしさ、クリスマス。
どうしようもなく寂しくなったら俺のとこおいで。」
「え……」
御岡くんは鞄のなかからノートを引っ張りだし、
はしっこに何かを書いて破った。
「俺の連絡先。
恋人っぽい慰めはできねぇけど、一緒にいてやるよ。
ゲーセンでも行こうぜ。ケンカしねぇから。」
御岡くんはわたしにその紙切れを手渡した。