私とキスと横恋慕。




「とうとう明日だね、美羽」


「うん。なんか緊張するー」



最近美羽たちは上手くいっているみたいで、私と桐山が話すのも、前ほど親しげじゃないからか、構わないと言ってくれた。



「どこ行くの?」


「クリスマスだし、どこも混んでるだろうから、駅の近くでショッピングして、あとはレストランでご飯、みたいな。」


「へぇ~、いいね!」



美羽は照れ臭そうに笑った。


その笑顔が今までの何倍もかわいく見える。

恋の力……か。




「竹内。」


聞き慣れた声が美羽の名前を呼んだ。


「桐山くんっ…」



へー、まだ二人とも名字呼びなんだ…。



「明日さ、終業式終わって、一旦家帰ってから14:00に西口でいい?」


「うん!大丈夫。」


「OK

あれ、こんなところに人がいた。

ちっちゃくて気づかなかったわ~」


「痛っ!」



桐山の憎たらしい声の後、私の頭はガシッと掴まれた。






< 69 / 277 >

この作品をシェア

pagetop