私とキスと横恋慕。
約束のベンチに着いたのは、14:45だった。
早く来すぎたかな。
ベンチに座り、辺りを見渡すと、やはりカップルだらけだ。
くそ~
見せつけやがって。
きっと私も、周りからは彼氏を待つ彼女に見えるんだろうけど、現実は違う。
私の好きな人は私の友達と付き合ってて、私は私の好きな人の友達と今から遊ぶのだ。
何この複雑な感じ…。
あー、やだ。
早く来ないかな、御岡くん。
急に自分がひとりぼっちなことが怖くなった。
悪い予感が的中だ。
寂しいことに気づいてしまった。
御岡くん…御岡くん…!
助けて…
「沙々!!」
名前を呼ばれたと同時に肩を掴まれ、私は顔をあげた。