私とキスと横恋慕。
「浮気。
しよっか。」
「っは…」
「別れてほしくないんだろ。竹内と。」
「別れてほしくないけど…
そんなの…」
なんか、私ワガママかな。
絶対にこの恋心は隠すと決めていたのに、
桐山に告白して…
結果的にさらに美羽を傷つけているんじゃ…
「ごめん。
私が言ったのが悪かった。
でも…浮気は…ダメだよ。」
「なら別れる。」
「っっ!なんでアンタはそうやってすぐ……」
桐山の顔を見て、言葉が詰まった。
予想外に桐山が真剣な顔をしていたからだ。
「桐山…」
「どうすんの。」
「っ……」
受け入れれば美羽が傷つく。
普通に桐山にフラれるよりも、私たちの浮気を知った時の方が
きっと深く深く傷つける。
それでも
「……分かったよ…。」
桐山はフッと笑顔を見せると、優しく私の頭を撫でた。
悪役も悪くないと思えるくらい
私は桐山に酔っていった。