私とキスと横恋慕。




「おい、ミジンコ、邪魔。」


「うっさい、つり目!」


朝から本命の女とこんな言い合いをする始末。


以前と変わらない日常を作るため、

俺たちは竹内の前ではケンカ友達の振りをする。



「アッハハ、二人とも朝からケンカ?」


「美羽もすぐに分かるよ、コイツの意地の悪さ。

コンプレックスだって言ってるのに、何度も同じ悪口ばっか言うドSっぷり!

サイテー野郎だ!」



コイツ、言い過ぎだろ。



そのサイズだから可愛いんだろーが。



「じゃあいい加減でっかくなってみろ。

それかもっとおしとやかにしてれば悪口も言わねぇよ。」



「コノヤロー!!」




沙々が本来の目的を忘れて本気で殴ってくるけど、

ケンカ慣れしてる俺はそんなの簡単に避けられる。



沙々は悔しそうに下唇を噛んだ。






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