私とキスと横恋慕。
「か、帰ったかと思ってた…」
「いや、なんか面白そうだし。
手伝ってやろーか?」
「いい!後で代償が怖いから。」
「よくわかってんじゃん」
俺がそう言うと、沙々は「そうだろ~」と言ってどや顔をした。
沙々が課題をこなすうち、次第に教室内の人がいなくなった。
廊下も静かだ。
「終わった?」
「あと1問………
っ終わった!!やった。」
「やけに早いな。」
「一回真面目にやったんだもん。
桐山、今日1人?一緒に帰ろうよ。」
1人ってか……お前を待ってたんだっつーの。
「いいよ。」
沙々が嬉しそうにふわっと笑うから、
思わずにやけそうになる。
「寒いね~、今日。」
そう言いつつ、機嫌がいい。
沙々は冬が好きだ。
俺も
沙々が隣にいる冬は好きだ。