【完】『ふりさけみれば』
オンエアの日。
みなみは早朝のニュースを終え、早めに六郷まで帰宅したあと仮眠をむさぼって、深夜の放送の時間帯までゆっくり過ごした。
「…どうなるのかなぁ」
時間が、来た。
ついでながら。
枠が小さいとプレビューの時間など取れない。
初めてみなみは自分の番組のオンエアをチェックしたのだが、
「あー…ここもう少しリポートしなきゃダメだなぁ」
といったようなアラが見えて、
──もう少し上手ならなぁ。
と、自分が記者に配置替えされる理由が分かった気がした。