【完】『ふりさけみれば』

オンエアの日。

みなみは早朝のニュースを終え、早めに六郷まで帰宅したあと仮眠をむさぼって、深夜の放送の時間帯までゆっくり過ごした。

「…どうなるのかなぁ」

時間が、来た。

ついでながら。

枠が小さいとプレビューの時間など取れない。

初めてみなみは自分の番組のオンエアをチェックしたのだが、

「あー…ここもう少しリポートしなきゃダメだなぁ」

といったようなアラが見えて、

──もう少し上手ならなぁ。

と、自分が記者に配置替えされる理由が分かった気がした。



< 108 / 323 >

この作品をシェア

pagetop