【完】『ふりさけみれば』
上司の清家に至ってはみずからの結婚式で、
「これからの心配の種は、パパラッチと橘くん」
と挨拶でこぼす始末で、その場にいたみなみは気恥ずかしいのを通り過ぎて、あとで式場のトイレで泣いてしまったほどである。
が。
一慶だけは違う。
「まぁみなみちゃんを見る目が周りの男にはないってことやろな」
と言い方はにべもない。
しかし。
「みなみちゃん面白くて、嫌いやないけどなぁ」
といったことをいう。
そこは。
果たしてどういった深意が含まれてあるのか、みなみには測りかねた。